第五天 嘉儀~台南

捨て犬二匹拾ってしまう・・    97キロ


12月3日

朝8時に起きた。丸々10時間一度も起きることなく寝続けた。

暖かで平らなベッドに寝れる幸せ( ^ω^)・・・

台湾に来てから1泊目はJongの家で白人女の更年発情期、2泊目は合法旅館の新南旅館、3泊目は野宿。

昨晩までまともに寝れていなかった。

 

この安蘭居アーランジェホテルは簡素だが朝食付きなのも嬉しい。

11時、この日の走行を開始した。 

昨日の経験から積極的休養が必要だと思った、私は一人旅だから倒れたらそれまで。 「あなただけの身体じゃないのよ」って言ってくれる妻の代わりを自分でしなきゃいけない。

朝から鶏肉飯、嘉儀カレー2食も食べた。

 

昨日たっぷり寝たお陰ですこぶる体調が良い。謝謝台湾号は本来のエンジンを取り戻しうなりを上げる

もう地図を見るのもしゃらくせぇ、いつから江戸っ子になったのか、好き勝手に南下した。

 

予定通り、自分が今どこにいるのか分からなくなったので派出所に入った。

台湾の人は本当に親日な人が多い

警官は「日本から台湾縦断しに来るなんてイカすじゃないか! さあお茶飲んでって」って饅頭までもらった。

警官は「この先は行けなくはないけどキツイよ、165号線まで戻ったほうが良い」

 

性格的に、「この先」を選んだ。

この先はそんなに大したことはなかった。 

ちょっとした山で嘉儀市内を一望できる墓地だった。

そんな山の中を走っていると生後10日位の子犬がいた。引き返して確認すると3匹もいる 誰かがエサをあげているようだが間違いなく捨て犬だ。

こんな山の中誰かの善意がなけりゃ子犬なんて直ぐ死ぬ。3匹の内どうしても1匹が捕獲できない。

 

私は「捕獲できない」という言い訳のもと3匹の子犬を見捨てた。

だんだん可愛く思えてきた
だんだん可愛く思えてきた

が、

なんだかんだあってその後私は2匹の子犬を抱えて自転車旅をする事になる。

行く先々の人に保護してくれるようお願いしたのだけど、なかなかうまくいかない。途中、同じ毛色の優しそうなメス犬を見つけた。

彼女に母性本能があればこの子犬を面倒みてくれるのではないか?

そのメス犬が驚かないようチラッと子犬を見せた、するとそのメス犬は走り去って狂ったように吠えまくる。

ダメだ。 

なんかこの辺りから切ないというか何というか。

人間や犬にまでどさ周りをして拒否反応ばかり示されるのでこの2匹の子犬が世間から嫌われているようで悲しくなる。

またそれに比例して可愛い。この子達が凄く可愛く思えてきた。

 

最悪、自転車旅を諦め、汽車で高雄まで行ってなおちゃん(友人)にお願いしよう。

 

そんな旅の失敗を覚悟し始めた頃、小さいほうの子犬の反応が弱くなってきてた。

生後直ぐ墓地の側溝に捨てられてどぶの水だけで命を繋いできた それだけで死ぬのは良くない。 

私はどさ周りを切り上げ台湾号に乗った。

子犬達は袋に入れて左手で持っている。 

だから全力で飛ばしても30キロ位しか出せないのだけどとにかく急いだ。

三叉路にセブンイレブンが見えてきた。

急いで牛乳と一番美味しそうな犬缶を買った。

最後ぐらいお母さんの味と美味しい物を食べさせてやりたい。

この時点では、チビ黒のほうはもうダメだと覚悟していたのだけど、牛乳飲んで日光に当たったら動くようになってきた。

 

その後、ドブの中でただ死を待つだけだったこの子達の運命は親切な台湾人青年によって変わった。

 

セブンイレブンの店員が心配そうに近づいてきた。

それに続き10代20代の男子達が集まってきて2匹を心配そうに撫でてくれた。

もしかするともしかなるかもしれない。

ここで私こと無責任男の銭ゲバラは「オレは高雄まで自転車で走りたい」と言った。

つまり、君達この犬よろしく頼むって事でかなりの卑怯です。 恥ずかしいです。

 

台湾の10代20代男子と日本の無責任40歳は2匹の子犬の前で立ちつくす。

子犬はヨチヨチしている。 それを持ってきた私は高雄に行くと言う。 

しかし本来これは台湾の国内問題でもある。

仕方なくセブンイレブンの店員は簡易の犬小屋を作ってくれて私に「謝謝」と言った。

つまりこの二匹を助けてくれてありがとうという事、私はバトンを彼に渡せた。
いや半ば強引に渡した。
恩人の彼にゲバラの連絡先を伝えた。

セブンイレブンを去る時、彼はレジで仕事をしていた、私は台湾号に乗ったまま自動ドアを開けて 我別忘您的恩情! オレはあなたの気持ちを忘れない! とちょっとくさいセリフををかなりの大声で言った。 中にいる客はみんな目を丸くしていたハハハ

この一連のお犬様騒動も後日動画公開します)

 

その後172号線でハム炒飯とココナッツ水を補給

 

さてここで旅の経緯と支援者やスポンサーの紹介をします。

私こと銭ゲバラ訳あって東日本大震災の時、日本国内、世界中から岩手県に届いた物資を捌いていたんです。

どこが多い少ないって話じゃないのですが、台湾からは特別な支援をして頂きました。

当時、日本政府もそういったお礼を各国にしていたのですが、国民一人当たりずば抜けて一番支援してくれた台湾に日本政府はお礼をしなかった。

中国という悪い国が怖くて日本政府は台湾にお礼を言えなかった。

 

腰抜け政府に出来ないのだったら私達でやりましょうってんで 謝謝台湾 は民間レベルで進んでいるプロジェクトです。

今回の謝謝台湾自転車縦断の旅は多くの皆様、企業に支えらえています。

支援者のお名前は胸と背中に、スポンサーの企業ロゴは右胸に張り付けて走りました。

「震災の時助けてくれてありがとう」と銭ゲバラ一人でいうのではなく大勢の気持ちを背負ってお礼しているという事を視覚的に分かりやすくしたんです

 

前振りが長くなってしまいました。

スポンサーの いわてスターブランド様  内田歯科クリニック様 をご紹介します。

 

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ちなみに銭ゲバラ君の山菜やキノコも季節商品ですがこちらで販売しています。

 

内田歯科クリニックは、盛岡市大通3丁目桜木小前の歯科医院で院長先生はなんと銭ゲバラ君の同級生です。 

歯科医なんて堅い仕事をしてますが、学生時代はゲバラ君と一緒に学校を代表して神社に行って戦ったり、そんじょそこらの歯科医じゃないのです。 

多くの同級生が通院していて信頼されています。

さてさて 台南 には21時に着き福憩ユースにお世話に、ここでは自転車旅割引があって1600円で泊まれた。

夕食は羊のスープとワンタン麺それと48度の白酒を丸々1本飲んでしまった。

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