第十一天 12月9日 電車で高雄へ 走行22キロ

945分~1145分まで台南駅前で感謝の辻立ちをした。

2日前にも同じ所で辻立ちをして顔見知りもチラホラそこで分かったのは台南駅西口はいわゆる反社会的勢力の若手が仕事をしていて乗降客らに何やら話しかけていた。

そんな彼らですら「謝謝!」と言っている謎の覆面野郎に若干の好意を持って接してくれた。

またこの日は日本人3人からも話しかけられ一緒に写真を撮った。

オレは1210分の電車に乗って高雄に向かった。 大事な打合せが16時にあった。

高雄に着いてみるとジャッキアップして移動されていた旧高雄駅が新高雄駅の正面に鎮座されていた。

新高雄駅増築工事はこれより佳境を迎える。

自転車で南に向かった。

まず向かったのは興中一路にある王記牛肉麵

この店は台湾で初めてゲバラン三ツ星獲得店で主力の牛肉麺もいいが脇役の麻醤乾麺が絶品なのだ!

これにニンニク、酢、ラー油をたっぷりかけて食べると脳内麻薬が放出される。

高雄の人達はこの食べ方をまだ知らない・・

店に着くと[半年ぶりにあの日本人が来た!]となって女子店員だが思わずハグをした。

言わずもがな麻醤乾麺が出てくる。

高雄はこうでなくっちゃ 興奮してニンニクとラー油を入れすぎてしまった。

 

 

10キロ先の紅毛港保安堂で明日行われるカレーお振舞イベントの打合せがあった。

約束の15分前に到着し、参拝後日本人顧問の木村利行さんから調理設備や炊飯器の能力などを教えて頂き、明日の13時から17時までの調理、17時半~18時半までのお振舞を確約。

高雄の行きつけ宿 背包41 は満室との事、それじゃあと2019年に泊まったUno青年旅舎に行った。 1泊確か500元(これでも週末で少し高い設定)

オレは迷うことなく再び 王記牛肉麺 へ行き一通り飲んだ後 麻醤乾麺 で〆た。

 

いや~っ なにはともあれ高雄のくら寿司は で か す ぎ !


第十二天 12月10日 記せない伝説 走行25キロ

9時起床、10時開店の高雄三越&SOGOを急襲し岩手県産米ひとめぼれを強奪しようと行ったら開店は11時だった。

いきなり1時間も時間を持て余すと誰だって困る。

これが11半とかだと早めの昼食とかのやっつけ仕事で調整できるのだけど10時って本当に何もすることがない。

仕方なくマイケルジャクソンの真似事をしたり、秘湯の混浴でいい人を演じて女体を見れなかったことへの後悔をしてみたり、預けている2人の娘(メス猫2匹)の心配をしたりして11時を待った。

そして開店と同時に地下の食品売り場に行って分かったのは日系のデパートですら岩手の米は置いていないという事。 

仕方なく手ぶらで紅毛港保安堂まで行き近くの中規模スーパー全聯に行くと奇跡的に岩手県産のひとめぼれが1袋だけあった!

それと「金色銀河」という岩手に縁のあるネーミングの米も使うことにした。

13時全ての食材を紅毛港保安堂に持込み調理を開始した。

美味いカレーを作る自信はあった。 台南でやっと事と同じ事をするだけだ。

しかも今回は調理の全てをオレがする。

 

感謝のカレーは16時完成した。

謝謝台湾隊がなぜ紅毛港保安堂でカレーのお振舞をするかというと、昨年暗殺された安倍元首相の銅像があるから。

台湾の人達がお金を出し合い銅像を建立し維持管理している事への敬意を示すためです。

カレーを寝かせながら日本人顧問の木村さんから銅像の維持管理の裏話をお聞きした。

一言で言うと、安倍さんは死んでなお首を狙われている という事。

どういう事か?

台湾と日本の仲が良い事に対し嫌がらせをしてやろうと妬んでいる地域が世界中に1つある。

その地域の息のかかった連中は台湾各地に潜伏していて嫌がらせを画策する。

2年前だったか? 台湾の治水事業に大いに貢献した八田與一さんの銅像はそういった嫌がらせ集団によって首を切断された。

もちろん首謀者は罰を受けたが、その罰則や期間に応じた金銭が首謀者には支払われる。

これは山口組本体とヒットマンの関係と同じで普通に娑婆にいてあくせく働くより刑務所行っているほうがお金になる。 だから殺る。 という構図。

だからこの安倍銅像は建立するより維持管理が大変らしい。

 

さて17時おもしろいゲストが来た。

2023年自転車で日本一周をし岩手に来た際我が家に泊まった高雄の青年だ。

我が家までわざわざ訪ねてきた人とこうやって再開できるのは嬉しい。

 

 

紅毛港保安堂でのカレーのお振舞は大成功だったと思う。

カレーを口にした人の表情だけでそれを判断している。

自己満足の極みだ。

まず20食は個別にパッケージしてからこの鳳山区に住む独り身の老人へ配送された。

前日区長さんから要請があったそうでこちらとしても願ったり叶ったりだ。

そして残りの50食は紅毛港保安堂の信徒や後援者の皆さんの胃袋に入った。

皆さんが美味しそうにカレーを食べているのを肴に台南の王さんからもらった最高級の金門高粱酒をあけた。

すると一人の後援者が「サシミ サシミ」と言ってカツオの刺身のような物を持ってきた。

でもこれはたぶんカツオじゃない。 宗田カツオかハガツオだと思う。

日本でも獲れるが、カツオより味が劣るのと鮮度が落ちやすいので主に鰹節にされ蕎麦やうどんの出汁に隠れて実は我々日本人の口に入っている魚だ。

オレは赤身とハラ身の2つを取って食べてみた。

 

口に入れた瞬間、オレの第六感は「すぐに吐き出せ」と指令してくるがこの人達の前でそれはできない。

 

性病の娼婦とコンドーム2枚重ねで性交しているような味がする。

そんな時ここで唯一の日本人木村さんが耳元で囁いた。

「気をつけて下さいね ここの人達は生で食える魚と食えない魚の区別がついていません」

 

嘉義での授業、台南でのカレー、そしてここ高雄でのカレー

その全てが大成功で全体としては大大大大成功でオレはまたもや 王記牛肉麺 に行き58度の酒を飲んだ。

3連荘で王記牛肉麵の麻醤乾麺を食べた。

嬉しすぎて店の前で何度も猪木になってダーをした。

 

この日の夜オレは珍事を巻き起こした。

それは10回の台湾縦断において最大の珍事だ。

しかし珍事過ぎて記せない・・

 

23時頃には寝たようだった。

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