11月30日
朝4時半に起床。
朝めしは有名な阜杭豆漿(フーハンドウジャン)に歩いて行った。
「2時間待ちはざら」との事、そんな時間はないので1番乗りを目指した。
店に着くと従業員20名程が慌ただしく働いていた。
「朝食2時間待ち」は都市伝説ではないよう。
5時半の開店時には50人位の行列ができていた。
お目当ての鍼豆漿と卵餅を食べたがこれはどん兵衛の豪華版のような感じだった。
台湾人にとってど真ん中の朝食がこれかもしれない(勝手な想像)
9時Jongの家をチェックアウトし地下鉄で北に向かった。
今回の旅で使う自転車を借りに
今回のスポンサー 蛙珈琲 は台湾一周用の自転車の貸出をしている。
その中でも特別仕様車を用意してもらった。 試乗した瞬間それが分かった。
このチャリンコは下手な自動車より高価だと。
蛙珈琲さん 本当に感謝しています。
さて、これより台湾自転車横断の旅がスタートします。
小さな島国なのであまり仰々しいタイトルをつけるのもおこがましいですね ハイ。
蛙珈琲スタッフに肩を押され自転車は北に向かった。 一度北上してから海岸線を走りたかったからです。
走ってみると台湾ってとこは自転車専用レーンが国内中に張り巡らされていて、その上コンビニや交番がチャリダー達を手厚くもてなしてくれる、その上蛙珈琲のような自転車貸出サービスも充実している。 もはや走るしかない。
日本でも土俵と塩を用意してまわしの貸出サービスをすればガイジン達は「Oh!ジャパニーズスモウレスラー」ってはしゃいで相撲をし始めるだろう。
どうでもよいがこれから8日間お世話になる愛車に名前を付ける事にした。
ドン・キホーテの愛馬ロシナンテ号にしようかと思ったが、分かりやすいキャッチフレーズがいいなと思い「謝謝台湾号」にした。
実際私の背中には 謝謝台湾 日本人環台中 とデカデカと掲げている。それがいい。
12時半頃、下寮というエリアに「自助菜」という看板を見つけたこれは良心的価格のバイキング料理店の事で、見当もつかない漢字料理に挑戦するより、指先で意思を示せる分、我々のようなガイジンにはいい。
そんなこんな新竹市までは途中1回のビール休憩と青空トイレをはさみ17時に着いた。
さてここ新竹はビーフンと半導体が有名な街らしいが私にはあまり関係がない。
それよりここ新竹では自分に試練を用意している。
それは泊まる宿。
事前に「新竹 安宿」で検索して探していたが私的に安いと思える価格ではなく、仕方がないのでグーグルマップで新竹駅前をウロウロしたところ、中南街という小道に宿が数軒あるのが分かった。 見るからに地獄の入口な中南街、そこにあるボロボロの宿、ここなら絶対安いだろう。これはチャレンジ企画だ。
実際に中南街に行ってみると確かに旅館があった。一つ目は新都旅館、二つ目が新南旅社どちらもヤバヤバな感じ、ある意味いい味が出ている。
ゲバラは二つ目の新南のオババに「一晩いくら?」って聞いたら500元(1600円)だと言う。 台北のJohongの家が450元だからこれは高い。
私は一つ目の新都に戻って「一番安い部屋いくら?」って聞いたら350元との事、
「じゃぁ今夜はここに泊まろう」 そう思ったその時、新都旅館の中から全身刺青の台湾ヤクザが出てきた。
この状況においての賢明な選択としてオレは新南旅社に戻った。
新南旅館 それは私の想像を遥かに上回る素晴らしさだった。
202号室なのになぜか3階 まくらはシミだらけ ベッドは兵どもの夢の後 水は出るがお湯は出ない、シャワーは当然使えない、電気も点いたり消えたり自由奔放。
陥落直前のサイゴンそれが新南旅社。ここは新竹ではなく40年前のサイゴンだ。
ある意味さっきのヤクザが新南ではなく新都旅館を選んだ理由が分かる。
さて,旅社という名のゴミ箱から出て新竹の街を楽しむ事にした。
ビール片手にブラブラした。
人間こういう時は賑やかなほうに吸い寄せられていくもんで繁華街っぽい所に迷い込んだ。
そこでゲバラは「新竹の女(ひと)」と出会った!!!
文昌街という通りで右45度からすうっっと現れた女と 1秒 目が合った。
ぐぅぅぅっとくる女だった。 女は視線を外し左へすうっ~っと去って行った。
この女はたぶん娼婦だ。 街頭で客を一本釣りする娼婦だ。
街頭娼婦というのは商売中であるのを告知する意味でスカートの丈を短めにする傾向があるし、派手な服装のわりにどことなく影がある。
彼女はその要素を全て兼ね備えていた。
しかも顔だけ見れば真面目な学級委員長にも見える。 このギャップに参った。
馬鹿な考えが膨らむ前に客家湯圓という飯屋に入った。
地元民で賑わう店だから美味いに違いない。
ここでは骨肉蓋飯220円 ワンタンスープ160円 白酒350円を堪能した。
スポンサーの皆様ありがとうございます。
初日から48度の白酒を1本飲み空けてしまった。
胃袋を満たした後、スケベ根性でまた文昌街に戻った。
いた! 新竹の女はいた!
彼女は「娼婦には見えない娼婦」という分野でモンドセレクション受賞できる。
ゲバラはコンビニに走ってもう1本白酒を買ってグビグビ飲んだ。
彼女に話かけるにはまだちょっと酔いが足りなかった。
さてどう話しかけるか? 今回の旅は後日レポートにしてスポンサーに提出する予定だからたまには色艶のある展開があってもいい。
ただ、金さえあれば世界中どこでも女は買える。 台湾行って女買ってきました。
それじゃつまらない。 ロマンスもへったくれもない。
新竹の女 その娼婦の物語に1ページだけ「でも一人だけ惚れた男がいたわ」という脚色を付けたい。 恋心だからお金なんていらないわ。
がさつに言えばタダでやりたい。
彼女を遠目で見ながらあれこれ策を練ったが極めて難しいと感じた。
仮に暴走車が彼女に突っ込んでいくような状況が発生し、そこで私が彼女の事を助ける位の事をしないとまず無理だ。
それと今回更に色艶から遠ざかる問題がある。
それは自身の髪型。
昨年、インドネシアで同窓会があって今ぐらいの時期に行ってたのだけど、その時の髪型はナスカの地上絵のようであり地獄の鬼のようでもあった。
しかしこれがなんと現地人に大うけで、行く先々でご飯をご馳走になったり子供たちに囲まれたりした。
この経験によって、海外旅×奇怪な頭=ただ飯+子供達のヒーロー という方程式が仮説として浮上した。
故にその仮説を定義する為、今回の髪型は 子ずれ狼の大五郎 なのである。
つまり、絶対に正常位はできない髪型なのだ。
玉砕覚悟、日本男児らしく桜のように散ってみようか とも思ったが、99.999%の負け戦 断られる以前に相手にされない可能性さえある。
ゲバラは諦めた。フラれるのが怖かったし勇気がなかった。
もしまた新竹に来て彼女がまだいたら手っ取り早く金で買う。
堂々と 新竹の女代 でスポンサーを募る。